コストをかけずにMacでハイビジョン編集を行う手順

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【2018/2/11追記】
・11年前の内容なので内容は古いです。
 当時まだAVCHDが普及していなかったのでHDVのことしか触れていません。
 
HDV自体過去の規格となりつつありますが「DVHSCapとMPEG Streamclip」による
 ネイティブ編集は現在でも可能です。
 
 FireWire SDK はバージョン26が下記からダウンロードできますが、
Apple Developer への登録が必要です。
https://download.developer.apple.com/FireWire/firewire_sdk_26_for_mac_os_x_20416/firewiresdk26.dmg
 
 MPEG Streamclip はバージョン1.9.2が入手可能です。
 2008/8/10から更新されていませんが macOS High Sierra(10.13)でも動きます。
http://www.squared5.com/svideo/mpeg-streamclip-mac.html
 
 最近のMacHDV取り込みをおこなうための FireWire端子が付いていませんが、
Apple Thunderbolt - FireWireアダプタ」(\3,200)を使えば Thunderbolt
(Thunderbolt2)に変換可能です。
https://www.apple.com/jp/shop/product/MD464ZM/A/
 
USB-C(Thunderbolt3)しかないタイプのMacだと、さらに変換が必要なのかも
しれません。こちらは試していないのでわかりません。
https://www.apple.com/jp/shop/product/MMEL2AM/A/
【追記ここまで】

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 なるべくコストをかけずMacでハイビジョン(HD)編集を行う方法について検証してみる。
 追加ソフトウェアの費用に加えてHDDの消費量も加味するとネイティブHDV(以下m2t)編集が行えることが基本となる。
 何しろハイビジョン編集はHDDをバカ食いするので。
    ↓
  (HDD消費量)
  ・m2t編集 : 13GB/1時間
  ・非ネイティブHDV編集(AIC) : 44GB/1時間
 
 AICだと、320GBのHDDを買ってもテープ7本分しか入らないことになる。
 
 m2t編集が行えるソフトといえばまずFCP(Final Cut Pro)だが、こいつは12万円もするので却下。
   http://www.macdtv.com/GuideToDTV/3_FinalCutPro/HDV/
   http://allabout.co.jp/computer/digitalvideo/closeup/CU20060822A/
   http://www.apple.com/jp/finalcutstudio/finalcutpro/
 
 FCPの簡易版であるFCE(Final Cut Express HD)だと\29,800とグッとお求め安くなるのだが残念ながらm2t編集に対応していない。
   http://www.apple.com/jp/finalcutexpress/
 
 Mac付属のiMovie HD6(パッケージで買うと\8,800)もm2t非対応。1TBのHDDが1万円くらいで買えるようになればこの方法でも良いのだが。
 
 と、いう訳で、今回はm2t編集に対応したフリーソフトを活用することにしよう。
       ↓

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■「DVHSCap」と「MPEG Streamclip」によるネイティブHDV(m2t)編集

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(利点)
 ・無料である。但し「QuickTime MPEG-2再生コンポーネント」(\2,400)だけ別途必要。(※1)
 ・極めて軽い。m2t編集→m2t書き出しだけであればG4クラスでも軽快に使える。MPEG4やH.264に書き出す場合はCPUの能力に大きく左右される(※2)
 
(ソフトウェア入手先)
 ・DVHSCap (FireWire SDK 23に含まれている)
   http://developer.apple.com/hardwaredrivers/download/
 
 ・MPEG Streamclip 1.8
   http://www.squared5.com/
 
 ・QuickTime MPEG-2再生コンポーネント
   http://www.apple.com/jp/quicktime/mpeg2/
 
(手順)
 ・HDVカメラとMacIEEE1394ケーブルでつなぎ、DVHSCapの「Capture from DVHS」ボタンを押す。
  テープが終わるまで自動的に取り込まれる。「STOP」ボタンを押すとその時点まで取り込まれる。
  取り込んだ映像は「xxxxx.m2t」ファイルとして保存される。
 
 ・MPEG Streamclipを起動し、上記のm2tファイルをドラッグ&ドロップする。
  画面下に出てくるスライダーをマウスで操作して編集する範囲(In点、Out点)を決める。
  選択した範囲を抽出して別ファイルに保存したり、カット&ペーストすることが可能。
 
 ・なお、詳しい手順については、こちらのページが参考になる。
   http://blog.so-net.ne.jp/nozet/archive/200603
   http://blog.so-net.ne.jp/otto/2006-07-03

 
 

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(注記)
 ※1:編集は不要でm2tの再生と別形式への変換だけ行うなら「DVHSCap」と以下の無料ソフトのどれかを組み合わせても可。
    (a) VLC Media Player(http://www.apple.com/jp/downloads/macosx/audio_video/vlc.html)
       Macでは定番のメディアプレーヤー
 
    (b) iSquint(http://www.isquint.org/)
       iPod用なので変換後の画面サイズが最大640x480、ビットレート1.5Mbpsまでという制約あり。
 
    (c) MPEG Exporter TNG(http://www.h5.dion.ne.jp/~maclab/script/script-Exporter_TNG.html)
       iSquintと同じエンコーダ(ffmpeg)を使ったAppleスクリプトMPEG-1に変換するには便利。
 
 ※2:私の環境での変換時間とファイルサイズの実測結果は以下の通り。
     ↓
 (環境)
  ・機種名:MacBook Pro(MA609J/A)
  ・MacOS X 10.4.9
  ・CPU:Intel Core2 Duo 2.16GHz
  ・メモリ:1GBと2GBで2回計測(※結果は同じ)
  ・HDD:内蔵120GBだけを利用
 
 (変換元m2tファイル)
  ・DVHSCapを利用してキヤノンHV10から取り込み
  ・内容:比較的動きが多い映像(MPEGには不利)
  ・画面サイズ:1440x1080
  ・再生時間:20秒
  ・ファイルサイズ:63MB
 
 (変換結果)
  (1)画面サイズ変更なし(1440x1080)
    ・MPEG4 56秒 / 33MB
    ・H.264 2分20秒 / 36MB
 
  (2)画面サイズ縮小(1280x720)
    ・MPEG4 71秒 / 20MB
    ・H.264 2分53秒 / 24MB
 
  (3)画面サイズ縮小(640x360)
    ・MPEG4 43秒 / 8MB
    ・H.264 1分10秒 / 11MB
 
 ※画質などの詳細設定はデフォルトのまま。
 
 ※変換時間・ファイルサイズともH.264が不利だが画質はかなり良い。MPEG4では細かい部分がつぶれてしまっているがH.264だとオリジナルと見分けが付かない。
 
 ※H.264で画質設定をデフォルトの50から30に落とすと、変換時間は大きく変わらずファイルサイズが半減する。但し画質は明らかに劣化するので、ファイルサイズを抑えたい場合40程度が限度か。
 
 ※H.264では「Multipass」設定が可能なので別途データを取りたかったが極端に時間がかかるので測定断念。(2)の条件で20分かかってようやく50%完了という状況。