資格の価値について

 コンピュータ業界で働いていると避けて通れないのがこの「資格」の問題である。大きく分けて公的資格である情報処理技術者試験マイクロソフトやオラクル、シスコなどが実施するベンダ試験があるが、これらの試験を受ける意義、目的などよく議論の対象となっている。
 
 日経IT Proでもしばしこの話題が取り上げられるが、興味深いのはこの記事に対して付けられた読者のコメント欄である。
 ページ末尾にある「皆様の評価を見る」がそれだが、現場の生の声というか喧々諤々というか読んでいて色々考えさせられることが多い。
 
・資格の価値って何ですか?(2003/2/17 日経IT Pro)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20030216/1/
 
・IT資格意識調査(2003/4/2 日経IT Pro)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20030401/1/
 
情報処理技術者試験の今日的意義を考える(2002/5/7 日経IT Pro)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20020506/1/
 
・“お受験体質”が技術者を弱くする(2002/5/15 日経IT Pro)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20020514/1/
 
 肯定派の意見、否定派の意見どちらにも理がある。
 資格はそれ自体が目的になったり「受験テクニック」を競う場になってしまうと本末転倒だが、やはり技術力を計る際の指針は必要である。それが見せ掛けだけであればすぐにボロが出るであろうし、資格を取った以上は周囲からそういう目で見られ続けるため、自己鍛錬を怠る訳にはいかない状況に自分自身を追い込めるという考え方もある。
 
 ただ単に、実務で積み上げた技術と経験の整理・再確認という本来の目的で資格を取る人も勿論多いであろう。実際MCP(マイクロソフト認定技術者)やオラクルマスターなどは、10年くらい現場でやっていれば嫌でも身に付く内容が多い。それに、落ち着いて体系的に勉強すると想像以上にメリットは多い。それまで経験則から得ていた知識に裏付けが得られるし、なんとなく苦手意識があって避けていた技術についても改めて勉強してみることで目からウロコが落ちたりすることもある。
 
■付記
 ちなみに私が初めて取得したのはMCPで、昨日書いたとおり「業界10年目にしてようやく・・」であったが、受験のきっかけその一は「会社からタダで受験できるチケットを貰ったから」、その二が「Windowsがキライだから」だったりします。
 私はもともとUNIX屋で、かつ自宅ではMacしか使わなこともあり、どうしてもWindowsを目の敵にしてしまう傾向がありました。と言っても仕事ではメインで使わざるを得ない訳で、理由もなく単に「キライだ」といっても見苦しいだけなので、「じゃあMCPなりMCSEなり取得して、理論武装してから文句を言えば、まだ格好も付くだろう」とそんな感じでした。
 いや私はそんなに意固地じゃないですよ。DNSサーバはBINDとWindows DNSをケースバイケースで使い分ければ良いと思ってますし、ApacheIISについても同様です。でもやっぱりWindowsサーバはまだDMZに置けません。