機械式カメラが必要となる場面

 
 上記の話題に関連して、フィルムカメラというか機械式カメラがどうしても必要となる場面について考えてみたい。
 
 たとえば戦場や秘境など極地で撮影する必要がある場合、信頼性という観点からは機械式のカメラが圧倒的に有利になる。
 現場において最も致命的なのは「写っていなかった」ことなので、最大限にリスクを回避しようと思えば以下の2点が重要になる。
 
  ・電源系統が壊れても手動で動く
  ・必要最小限の機能に絞り、故障する確率を減らす
 
 戦場・秘境というのは極端な例だとしても、プロが使う機材であればこの条件がかつては当たり前だったはず。
 
 通常は「撮影した画像がすぐに確認できる」というのが信頼性という意味で重要だというのは理解できる。ただ「電気系統がストップしても自分の力で制御できる」という点には重要性にも加えてある種のロマンすら感じずにはおれない。
 
 オートマ車に突如電気系統のトラブルが起きて難儀したというのは昨年ここでも書いたが、その時つくづく電気に頼る怖さを感じた。(トラブルの原因はダイナモ周辺の故障による充電供給停止)
 真冬(正月)の夜間、まだ生後半年ちょっとの赤子も乗っているというのに突如エアコンとライトが落ちハンドルが重くなったかと思うと、ギアも上がらなくなった。「停止したらおしまい」なのでスローダウンしたまま後続車の邪魔にならない所まで移動するのがやっと。
 「緊急時には手動でも動く」という選択肢がどうしても必要となるケースはあるということが身にしみて判った。
 
 市場がデジカメ一辺倒になってゆくのは時代の流れで仕方ないが、それでも機械式のカメラを選択する余地は残しておいて欲しい。