ソニー、FDD生産から撤退

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0909/10/news067.html
 他のメーカーも生産の継続については厳しい模様。
 
 FDなんて実際使わなくなって久しいが、比較的古くからコンピュータを使っている人にとってはFDが無くなりつつある現状に一抹の寂しさを感じるのではなかろうか。
 
 わしの場合、FDというメディアに未来を感じたのはソニーの8bitパソコンSMC-70(1982年)と後継のSMC-777(1984年)。SMC-70はたぶん世界で初めて3.5インチFDDを装備したパソコンだったと思う。その頃はNECのPC-8001mkIIを使っていて、オプションの5インチFDDにも憧れていたが16万円くらいしたので憧れで終わった。
 
 その後パソコンに関してはちょっとブランクがあって、次に買ったのは1993年、実に11年ぶりだった。FDはドライブもメディアもすっかり安くなって、まさに世の中はFD大全盛。1.44MBという容量は当時のソフトウェアやデータを格納するには程良いサイズだった。気が付くと机のまわりには100枚単位でFDが溢れ返っていたのもこの頃だ。今思うと信じがたいが、この頃まではマイクロソフトWindows(3.1)もOfficeもFDでしか売っていなかったはず。1995年のWindows95/Office95ではCD-ROM版とFD版が併売され、Windows98からCD-ROM版のみになっていたんじゃないかと思う。
 ちなみにWindows95とOffice95のFD版は、どちらも40枚以上のボリュームだった。当たり前だが手作業でメディアをとっかえひっかえする必要があるのでパソコンの前に張り付いて一日仕事だった記憶がある。FDは「未来の夢のメディア」だったはずが、気づいたら「見るだけで苦痛を感じるメディア」になっていたという事実。
 
 さて、FDが消えてゆくのは世の中の趨勢だとして、ひとつ気になることがある。
 ソフトウェアの「保存」アイコンは果たしてどうなるのか?
    
 これはこれで定着してしまったのでずっと残るような気がするが、FDの実物を見たことが無いような世代にとってはアイコンの意味を成さない。
 いっそHDDの絵に変えてしまうという手もあるが、SSDなどの普及も進んでいる現状、HDDがいつまでメインの保存媒体でいられるかも不明だ。