子供の頃よく遊んだ公園を25年振りに訪ねてみる
帰省したついでに、子供の頃よく遊んだ公園を25年振りくらいに訪ねてみた。
実家自体も引っ越しているため、その周辺に行くこと自体かなり久しぶりだ。
昔住んでいた場所や遊んでいた場所というのは、何かきっかけでもないとなかなか行きづらいものだ。今回は、2歳になった長男を遊ばせてやろう!ということで赴いてみた。
公園の周りには商店街があり、昔はそこで駄菓子や玩具などをよく買っては遊んでいた。
で、まずは商店街から訪ねてみた。・・・・誰もいない。いや、よく見ると年配の人がポツポツと歩いている。
2,3の店は開いているようだ。小学生の頃よく行った本屋がまだやっているので行ってみた。おばちゃんが一人で切り盛りしている、文房具や玩具なども売っているこじんまりとした本屋だ。
おばちゃんはおばあちゃんになっていた。
店内に入って少し歩いていると声をかけられた。
「昔・・・ここに住んではらへんかった?3丁目に住んでたお兄ちゃんの方やろ?」げげっ、覚えてはる!
しばし世間話。商店街はすっかりさびれてしまって、当時から残っている店はもう3つくらいしかなく、平日でも閑散としているとのこと。
公園もすっかりボロボロになって、もう今は遊びに来る子供もいないとか。
本屋も閉めようと思っているが「続けて欲しい」と言ってくれる子供がまだいるのでその間は細々と続けていくとのこと。
店内には、なんか30年くらい前からずっと置いてあるような玩具もあった。少なくとも色あせたマブチモーターは確実にその頃のものだとおばちゃんは言っていた。
長男がチョロチョロするのを見て、おばちゃんは目を細めて風船とシャボン玉をプレゼントしてくれた。わしはわしでちょうど良い機会なのでいくつか玩具を買った。
ビー玉と、コマと、ミニカーと、折り紙と、虫取り網にカゴ。銀玉鉄砲も買おうかと思ったが思いとどまった。
おばちゃんに挨拶をして、公園に向かった。
誰もいない。
雑草が一面に生い茂り、コンクリート製の遊具は朽ち果てる寸前だ。
壁にはスプレーの落書きが一杯で、ゴミも散乱している。植え込みは地グモの巣で真っ白になっている。
これでは子供を遊ばせる訳には行かないなぁ。
でも長男がすべり台に興味を持ったので、手を引きながらゆっくりすべらせてやった。
公園がまだ残っていたのは嬉しいが、ここまで荒れ果てていると複雑な気分だ。
わしの記憶にあった公園では子供らが所狭しと遊んでいたはずなのだが、それはもう遠い昔になってしもたんやなぁ・・・としみじみ感慨に耽る夏の午後。わしももうじじぃだな。