祖父のカメラで撮った写真

   
 37年前に他界した祖父が生前使っていたカメラ(Asahiflex Ia/1952年製)がわしの手元にある。
 わしが中学生のときに祖母(3年前に他界)から貰ったものだが、何しろ初めて手にした自分のカメラだったので当時は喜々としてあれやこれや撮影していた。
 
 実はこれ、日本で最初の一眼レフカメラである。何しろ古いカメラで写真一枚撮るにもえらい手間かかるが、まぁそれが楽しいと言えなくもない。

 祖父がこのカメラで子供の頃の母を撮影した写真が残っているが、その頃の母はわしの子供の頃とそっくりだ。そしてわしはこのカメラで長男の成長記録を撮っているのだが、これまたわしとそっくりだ。
 1本のフィルムを3年かけて使っていたら、フィルムが黄色く変色してしまった。期せずして「どこか昭和チックな写真」になってしまったがそれも一興。デジカメでは絶対に出ない味だ。まぁレタッチで変色させてわざとノイズを乗せるなどすれば似た雰囲気は出せるけども。