温室効果ガス25%削減試算、民主党の意向に添わなかったのでやり直し

 政権交代前、民主党の主張する温室効果ガス削減25%を実施すると家計負担は年間36万円になると言われていた。
 民主党は、この試算は間違っているとして(国連で大々的に25%削減を宣言した後に)有識者会議を設けてやり直しを命じていたが、出てきた試算は最大76万円にもなってしまったらしい。
 そのため、この結果は非公開として、改めて「鳩山政権を応援してくれるみなさんと」一緒に試算を行うとのこと。
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■温暖化試算“お蔵入り”背景は… 政治迎合「学者生命かかわる」(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091130-00000049-san-pol
 
 温室効果ガス25%削減については、家計負担のほか国内企業が海外に移転するなど産業の空洞化や雇用不安も懸念されている。
 そこまで身を削って削減したとしても、その値は全世界の総排出量から見れば1%にも満たない。その頃には世界最大の排出国であるアメリカと2位の中国の排出量はさらに増えているだろうからまさに焼け石に水だ。なおアメリカと中国は11/25になって温室効果ガスの削減目標を発表しているが、どちらも日本とは異なりGDP比としているため、GDPが増え続ける限り排出量は減らない。
 
 温室効果ガス削減は環境問題ではなく、国家間での駆け引き問題である。
 鳩山首相の25%削減宣言は他国に称賛を持って迎えられたが、他国に具体的な交換条件を突きつけるでもなく自国のみ(経済発展を多少犠牲にしても)頑張ります!と言っているのだから当然だ。何かカードを切る場合、しっかりした戦略に基づいてある程度の狡猾さをもって臨んでもらいたいのだが・・・どうもそういうモノがあるように思えない。