かわいそうなパンダ

 我が家にパンダのぬいぐるみ(パペット?下から手を入れて操作できるやつ)がある。
 長男(5歳)がまだ赤ちゃんだった頃に、義妹がアドベンチャーワールドのお土産で買ってきてくれたものだ。
 
 長男が言葉を発しはじめた頃、動物はすべて「わんわん」と「にゃあ」にカテゴライズされており、このぬいぐるみはパンダであるにも関わらず「にゃあ」となった。
 
 うちの実家では猫を飼っていて、長男は赤ちゃんの頃から興味シンシンだった。
 我が家には猫のぬいぐるみが無かったので、長男はこのぬいぐるみがパンダだということを理解した後も「にゃあ」と呼び続け、実家のネコの動きをシミュレーションするのにはまっていた。
 押し入れには「にゃあ」の寝るスペースを作って、毛布をかけてやっていた。
 
 長男が3歳のときに長女が誕生し、長女もやがて言葉を発するようになったが兄が相変わらずパンダ人形を「にゃあ」と呼ぶので長女も同じ呼び方をするようになった。
 「にゃあ」はいつも押し入れの中にいるので、長女も気になるが背が届かない。「にゃあ!(で私も遊びたい)」と主張しては長男に止められていた。わしが取って長女に手渡してやると長男は怒って「にゃあは渡したらあかん!」と再び押し入れに戻された。
 
 さて、そんなこんなで長いこと大事に(?)されてきた「にゃあ」だが、現在はシンケンジャーごっこの悪役になっている。
 
 長男「おとうちゃん、これ(パンダ人形)はめて襲ってきてー」
 わし「よし。(といいつつ手にはめて、)やあ、ぼくパンダです。今日はキノコ狩りに来ました」
 長男「出たな外道衆!(※シンケンジャーの悪役) 喰らえ!」
 ・・・と言いつつ手にしたシンケンオーのプラモを使ってパンチやキックが繰り出されるのであった。
 
 なんでも長男のマネをしたがる長女もキャッキャ言いながら加勢。パンダ人形は寄ってたかってボコボコにされた揚句「とどめだ!とうっ!」と放り投げられてしまった。
 
 ちょっと不憫。